懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

正月二十六日。

晴。寒波いと烈し。空調にては寒さ変はらず、厚着と熱き茶をもて忍ぶ。喉を守らんが為、寝る時にマスクを着けぬ。これはかなり効果あり。

図書館に往きて勉強す。モーム『アシェンデン』を読む。

楽器練習す。鍵盤を走らす指のいと軽く動きたるを観ず。いままでにはなかりし感覚なり。

正月二十四日。

気絶せしが如き睡りを三時間あまり睡りぬ。動悸激し。

笠井潔『バイバイ、エンジェル』を再読す。幾度目かの再読なり。この本が最も活きる力を得らるる一冊なり。

寒波襲来の報道盛りなりしが、此の日中は小春日の如く暖かなり。暮れて後俄に気温下りぬ。前日までと比較すべからざる寒さの来るは明らかなれば、薄き布団のみにては得耐へず、寝袋を出して入り、そが上に布団を掛る。

 

正月二十一日。

昨年末頃より、夜睡る習慣の定まりたりしが、此週卒に崩れ落ちぬ。一度失せし生活の容易に戻らざるを思へり。素より脆き基礎なれば、其に合はせて生きるのみならん。殊更問題視すべきことやは。されど悲歎措く能はず。

時間は定まらずとも、睡るべき時を自ら選みて睡るが肝要なり。物事を動かす意思と順序さへ明らかなればよし。