懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

読書

創元推理文庫『世界推理短編傑作集2』読了

江戸川乱歩が編纂した偉大なるアンソロジーの改題新版、その第2巻。 世界推理短編傑作集2【新版】 (創元推理文庫) 作者: 江戸川乱歩 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2018/09/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 旧版からの変更点は以下のよ…

太田忠司『月光亭事件』読了

私がこれまでに読んだことのある太田忠司先生の作品は『僕の殺人』ひとつきりだった。たった1作読んだだけでこういうことを言うのはちょっと気が引けるのだが、この1作だけで私は太田忠司先生の描く世界に全く魅了されてしまった。つまるところ、いわゆるひ…

ドロシー・L・セイヤーズ『殺人は広告する』読了

ちょうど1年ほど前に『ピーター卿の事件簿』の新版が発売されたことはまだまだ記憶に新しい。ピーター・ウィムジイ卿シリーズの長編は90年代半ばから00年代初頭にかけて10作目までが創元推理文庫で出され、最終作とされる『忙しい蜜月旅行』だけはハヤカワ文…

マージェリー・アリンガム『ホワイトコテージの殺人』読了

先日、高円寺のとある古本屋で雑誌「現代思想」1995年2月号【特集】メタ・ミステリーというのを見つけて衝動買いした。単に古いもので安かったからというのもある。しかし特集の内容に惹かれたというのがやはり大きい。笠井潔先生と木田元先生のミステリ談義…

創元推理文庫『世界推理短編傑作集1』、読了。

「江戸川乱歩が編んだ世紀の必読アンソロジーが全面リニューアル」という謳い文句がオビに踊る。そう、多くの探偵小説好きがお世話になったであろう『世界短編傑作集』の改題・新カバーバージョンである。創元推理文庫さん、いい仕事しすぎでは? 世界推理短…

鮎川哲也『ペトロフ事件』、読了。

戦後本格推理小説の巨匠、鮎川哲也先生の長編第1作目にして鬼貫警部初登場作品。戦前の満州国、そして南満州鉄道が舞台のアリバイ崩しを主眼としたミステリーです。私自身、鬼貫警部シリーズは『黒いトランク』『憎悪の化石』『黒い白鳥』の3作を読んだこと…

小栗虫太郎『紅殻駱駝の秘密』、読了。

河出文庫がまたやってくれた! 近年、古き探偵小説を続々と復刊させているKAWADEノスタルジック 探偵・怪奇・幻想シリーズ。小栗虫太郎作品は『黒死館殺人事件』『二十世紀鉄仮面』『人外魔境』に次いで4作目ですね。この時代に新しい文庫で戦前の探偵小説が…

木々高太郎『わが女学生時代の罪』、読了。

戦前から戦後すぐにかけての日本の探偵小説における記念碑的作品の大部分を網羅した選集としては現在でも手に入りやすく読みやすく探偵小説の入門書としても最適な創元推理文庫「日本探偵小説全集」シリーズ、その第7巻、木々高太郎集、未読だったので読み進…