懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

【ライブレポ】18人のアイドルが存在するということ【Readyyy! 2nd anniversary LIVE "THE NEW MOMENT"】

男性アイドル育成ゲームアプリ『Readyyy!』の配信が終了してから約7ヶ月あまり。リリースされたのは昨年の2月1日だからちょうど1年前ということになる。実質的に稼働していたのは4ヶ月ほどという短命に終わった作品だったが、コンテンツそのものの歴史はアプリのリリースより更に遡り、そして配信終了でも終わることなく2周年を記念するライブが開催された。

 

具体的なプロジェクトの発表はおととしの2月14日のことだった。それから約1年間、ゲームリリースに先駆けて楽曲CDの発売やリアルライブの開催と、従来のコンテンツとはある意味真逆の展開をしていて、なかなか面白いことをしていると思った記憶がある。しかしその時点では興味は持っていたもののなかなか食指が動かなかった私はゲーム本編のリリースまで静観しようと思ったこともまた憶えている。そしてアプリが配信されてReadyyy!の世界に、キャラクターに、楽曲に、キャストの演技に、物語に触れて完璧に魅了されてしまった。昨年の冬から春にかけては、あんスタやSideMやオンエアよりも、Readyyy!が私の日常の大きな一部となっていた。もう1年も前のことなのかと思うと随分と大昔のことのように思える。

 

突然の、というより唐突なという印象だった、アプリ配信終了は本当に残念だった。しかしその後もイベント開催やCD発売などコンテンツそのものはどうやら存続しているようだった。夢キャスや千銃士などの例もあるし、なむあみのようにサイトを移して復活する例もある。Readyyy!にもそういった道を期待しつつも、私自身なかなかイベントに参加する機会をもてないでいた。だから今回の2周年記念ライブは初めてのライブ参戦だった。正直いうと、ライブ情報を知ったのも直前のことだったのだが、ここで行かなかったら次があるかもわからないと思い、慌ててチケットを買いに走った。そしてもはや懐かしいものとなってしまった楽曲と世界観を復習しつつ今日を迎えた。

 

2部構成だったライブの、私は第2部に参戦した。以下、うろ覚えだが内容をおさらいしてみたい。

 

『Readyyy! 2nd anniversary LIVE "THE NEW MOMENT"』第2部セットリスト

  • The Beginning Place
  • 恋してLADY
  • Special Nu World
  • MY BEST FRIENDS
  • Running to the top
  • ここにいるから
  • Special Days
  • スタートライン
  • キミが見た空は
  • Style
  • 大胆不敵に恋したい
  • Four JUMP
  • 特別すぎる関係
  • There's α light
  • GO NOW!
  • Shining magic
  • すきだ
  • 光の欠片
  • 華の在り処
  • COLOR
  • BEAT IN LOVE
  • たった ひとつの ありがとう

第2部で歌われた楽曲は以上のようだったと思う。曲の前後関係が正しいものかどうかは曖昧なところもあると思うし、もしかしたら聴いたはずのない曲が紛れ込んでいるかもしれない。ステージのあまりの尊さに幻覚を観ていた可能性も全く否定できないので情報の不正確はどうか許してほしい。

 

オープニングはディアプロリーダーズによるThe Beginning Place。過去のライブに参加したことがないのでいきなり全く聴いたことがない楽曲だった。しかし、わかる。みえる。とにかく眩しい光だった。私はゲームをやっていただけだったのでキャストの皆さんについてはあまり詳しくはなかったが、観ているうちに誰が誰なのか判るようになってきた。なにより楽しい。なにが楽しいのかというと、キャストの皆さんが本当に楽しそうな最高の笑顔で歌って踊っている、それがとても楽しかった。最初のこの1曲で本当に来てよかったと確信した。

 

その後のライブはSP!CA→摩天ロケット→Just 4U→RayGlanZ→La-Verittaの順番でパフォーマンスが進んだ。各ユニットに共通していたのは、まずそれぞれの1曲目は新曲で、その新曲の背景となるストーリーのあらすじがスクリーンに表示される演出があった。そして第1弾の楽曲はMVとのシンクロでショート版での披露。他の2曲も2番などを省略した短いバージョンだった。

 

まずはSP!CAのステージ。正統派アイドルユニットとはまさにこのことだと思うパフォーマンスがそこにあった。キラキラ煌めく青い星の光。光希役の住谷哲栄さんを筆頭に笑顔がとにかく眩しい。佐門役の長谷徳人さんなんかもうそのまんま佐門じゃない? めっちゃ美声やし。比呂役の小宮逸人さん、梓役の遠藤淳さん、タクミ役の観世智顕さんも役柄がすぐにわかるパフォーマンスで、キャラクターを大事にされているんだなというのが感じられた。仲の良いSP!CAの5人、尊い

 

続く、摩天ロケット。ゲーム本編では最も未熟なユニットという感じだったがそれだけに伸びしろも無限大。新衣装では摩天ロケットとしての個性がより強調されていてなによりカッコいい。まず目についたのは、蒼志役の澤田龍一さん、全役の大町知広さん、淳之介役の服部想之介さん、亜樹役の梅田修一朗さん、それぞれがキャラクターに合わせた髪の色にされていたところ。ひと目見てわかる、まてロケがそこにいた。MCではぺこぱ構文を使って会場を盛り上げていた。その様子はまさにまてロケの面々がシラスハウスで雑談でもしているかのようで本当に面白かった。素のまてロケを見たような思いがした。

 

次はJust 4U。個人的には、もちろん他のユニットも大好きだが、J4Uがイチオシユニットだ。ステージに並んだ4人を見て、驚いたのなんのって。年長組と年少組、この落差がJ4Uのテーマであり魅力なわけだが、キャストの身長差もそのまんまやないか! 紛れもなくJ4Uが降臨していた。子供っぽい声と大人っぽい声の絶妙なハーモニー。もう最高ですわ。なんだこの再現度。凛久役の美藤大樹さんによるJ4Uの関係性を、キャストの関係性を、そしてReadyyy!とそのファンの関係性を家族に喩えるMCには、達真役の黒木陽人さんも感極まった様子。そう、J4Uは家族だよなぁ。尊さの塊。J4Uの楽曲も歌うのはなかなか難しいのが多いけれど、彗役の古田一晟さんのファルセットは安定感抜群だった。小麦役の安田駿さんの「もっと遊んでくれますかー?」には今世紀最大級のかわいいが炸裂。本当に皆さんキャラクターを大事にされているんだなぁと思う。

 

ステージは一転してダークな雰囲気に。RayGlanZの圧巻なパフォーマンスだ。ゲーム本編においてもそのパフォーマンスの圧倒的なることである種のラスボス的な存在感のあるユニットだったが、今日のライブでもMCなどよりパフォーマンスで語るところが多かったように思う。十夜役の近衛秀馬さん、千紘役の小野将夢さん、安吾役の三浦勝之さん、もう音源そのままなんじゃないかって思えるくらい安定感のある歌声。Piri Piri Aiのコールアンドレスポンスはズルいね。盛り上がらないわけがない。小野将夢さんの煽りも上手くて今日一番の大きな声が出たように思う。

 

そしてLa-Veritta。他のユニットは新曲のイントロでストーリーが出たのだが、この2人のときは画面に映るのは砂嵐とノイズ……。なにやら不穏な空気。いや、本編ストーリーもなかなか不穏だった2人だからなにがどうなってしまったの? というなかで重厚なサウンドの新曲の間奏で背景ストーリーが明らかに。やっぱり不穏じゃないか……。早くストーリーが知りたい。と会場がざわめく(?)なかでMCへ。雅楽役の榊原優希さん、地声めちゃくちゃ高い! めちゃ高いな。雅楽も結構声高いけど素だと更に高いのね。弦心役の田中文哉さんは対照的に低い美声。キャラクターもそうだが、キャストのこういう対称性もなかなか面白い。本日からReadyyy! song collectionの配信が始まっていて、そこにこの2人が歌う「ウキウキ★サマーナイト」なるキラーチューンが入っていて早速ループが止まらない。これもライブでやってほしいところ。

 

最後はお約束のアンコール。今後の展開の告知と各ユニットの代表者からのちょっとした挨拶。特に印象的だったのはRayGlanZから千紘役、小野将夢さんの言葉。本当にReadyyy!というコンテンツとキャラクターを大切にされているんだということが伝わってきた。ソシャゲという形態のコンテンツは配信が終わってしまえば中身そのものが消えてしまって、例えば中古の本やゲームソフトが出回るようには残ることがない場合もある。Readyyy!はまさにアプリの配信は終わってしまったわけだが、それでも18人のアイドルは存在している。「存在している」という言葉で表現されたのがとても重く、ますますReadyyy!が好きになった。今後の展開を見逃すことなく追いかけたいとそう思った。そして最後の曲は全キャストによる「たった ひとつの ありがとう」。本当にいい曲だ。ありがとうという気持ちしかない。次回ライブが7月4日に豊洲PITで開催されるという情報も公開された。ストーリーもなにかしらの形態で発表されるようだ。次のライブも絶対に参加できるようにしたい。