懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

八月九日。

昨日の日記に書き散らしたりける苦悶の痕跡を見てゐしに、いと気愧しき思ひを感ず。固より愉しからざる話題なれば、公開文にて書くべき内容にあらじ。己の如何に不憫なるやをひけらかす行為もまた陰謀論に通ずる道にして厳に慎むべきものなり。これ現代にては悲劇のヒロインムーヴといひて、甚だ見苦しき様態なるべし。然れども、内に溜りし鬱憤を言語を以て表明するは、必ずしも効なきものにあらず。多少は溜飲が下りぬ。気持ちの整理が如きは姑息なるものなれば、これのみに頼らず先ずは生るべし。

晴れて猛暑なり。室内にありても炎天下に身を晒すと異ならず。冷房に頼りて書を読む。

新商品の発売せるを見て、夜食にマクドを購ふ。予め、モバイルオーダーにて注文したれば、着店忽ち呼出あり。速やかに商品を受取り帰る。去り際店内を見渡せば、レジ行列十人ばかり並びたりけり。待ちたる人々、皆スマホを持たざるはなし。スマホあらば、その場にてモバイルオーダーするも可なり。何故にレジに並びて口頭にて注文するの煩瑣なる手続を踏まんや。余が目には怪奇現象と映りぬ。