懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

九月二十六日。

此頃、年来の体調不良やうやく快方に向ひて、調子の良好なるを実感せらるること多くなりたり。腹の空きたれば物を食ひ、日の暮れければ床に就く。すべきをしつ、すまじきをせざる。ただそれのみを無理強いに、徒とし崩るる生活の、苦しかりきは何にか類へむ。我事なれど宛らに、他人事が如く思ひ成し、逃げ込む先は現し世の、罠にも似たる貧困鈍麻、強き風当りは葛の葉の、恨みに曇れる眼では、見据える将来もなかるべし。然るに且づは人と成り、自ら立つことより始めん、やらまくほしきことしもあれど、総ては後のことなるべし。

間話休題、今日の日記。晴れて雲の一片だに見えず。日差し暑くも風涼し。

人と丸長に昼餉を共にす。爾後、図書館に往きて勉強す。

夜、天狗湯に湯を使ふ。