懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

八月一日。

晴。猛暑なり。蝉の鳴音、滝の如し。

早朝出立し、あきる野市に往く。養沢川の辺なるキャンプ場にデイキャンプを愉しむ。夏休みのこととて、子供の団体多く川に入て打ちはしゃぎたるを見る。狭きキャンプ場なるが、平日なればさほど混み合わず、広々と使ひ得たり。焚き火台に火を熾しつ、馬鈴薯、大蒜、玉葱のホイルに巻きたるを投げ入れ、網にて獅子唐、エリンギ茸、ステーキ肉、塊なるベイコンを焼く。賞味するに種々の調味料を以てし、何れも美味なること喩ふべくもあらず。最大の調味料は炭の煙と川の音、加へて同行者の笑顔なり。

枝葉の天蓋ありたれば、常に日陰に座るを得たり。真に穴場といふべきキャンプ場なりき。腹がくちくなりて後、暫し川に入て遊びぬ。泳ぐほどの備えなければ、裸足になりて歩き回るばかりなり。川水の冷きに暑熱忘れぬ。

夕刻、キャンプ場を引払ひ、近隣なる温泉に湯を使ふ。最高の夏は過ぎにけり。いまは秋への途上なりぬ。