懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月三十一日。

曇。湿気の多かる日なり。終日除湿機を動す。 本日にてとらのあな秋葉原店閉店との由を聞て、午過ぎに訪ふ。狭きビルの階梯を、薄き本を求めて上り下りするも、これにて最後ならんとこそ思へばなんとも寂しけれ。余の知りたる秋葉原といふ街も、はや彼方にな…

八月三十日。

曇。時々細雨降りたり。 ペヤングの新作の発売せるを見て購ふ。うどんそば風との由なるも、使はれたる麺が抑も別物なれば、もはや、やきそばの影も形もなくなりたるこそ面白けれ。作りし時、乾燥若布を含みたる先入れ加薬を入れ忘れたれば、仕方なしに固いま…

八月二十九日。

空気の冷やかなること当に秋の朝なるべし。目覚め悪しければ、起抜けの珈琲を平生より多く飲みつ。 夕方より図書館に勉強す。『美少年録』の第一輯を読み了りて第二輯に入りぬ。

八月二十八日。

雨。涼しくて過ごしやすき日なり。 午頃、雨止みたるを見て図書館へ往かんと出るも、自転車に乗りて少時走るほどに、復た雨降り出し忽ち豪雨となりて、避ける術のなかりせば、屋根を得る頃には濡れ鼠となりぬ。忌々しき雨男なるかな。 多年使ひし塵芥箱の蓋…

八月二十七日。

昨日、ボルシチを作りし後、赤ワインとボンベイ・サファイアを痛飲せしかば、今日は甚大なる二日酔いなりぬ。寝相の悪しかりけんや、右腕に奇なる筋肉痛を感ず。

八月二十六日。

曇。昨日よりは残暑の厳しきを感ずる日なり。 正午過ぎ、人の訪ひ来りて、倶に料理す。主菜はボルシチなり。余のかつてボルシチなるを食ひしことなかりかれば、調理も始てなるべし。然れどもその工程は西洋風肉じゃかと凡そ異ならず。その要領で作りき。その…

八月二十五日。

曇。漸く暑さの和ぎて、秋は近くなりぬ。 『美少年録』『伽羅枕』『罪と罰』の続きを読む。 夜、天狗湯に湯を使ふ。

八月二十四日。

午前中、雨降りたり。午には止みぬ。 曲亭馬琴『近世説美少年録』第十回を読む。 新曲の作詞を始る。目標はラプソディが如きシンフォニックメタルを歌うに和風の世界観を以てするなり。擬古典メタルとでも名付けんや。

八月二十三日。

得起き上がらず。夕刻まで倒れ臥したり。常に喉の奥に異物ありたるが如き嘔吐感あり。 無気力の重石をや頭に戴きたる。最低限なる食事、入浴、歯磨しつるに死力を以てす。掃除、洗濯にまで至らず。仕事はさらなり。呼吸をするだに大いなる疲労を感ず。人の形…

八月二十二日。

睡り浅く、質悪しくして、早く目醒めぬ。脳中に火の燃ゆるが如き心地するも、復た寝能はざれば、床上スマホ持てニュースを読みつ輾転反側す。やがて辰の刻も過ぎぬれば、重い身体に鞭打ち起る。 午前中、書を読む。 正午過ぎ、人の訪ひ来りて、倶に先週包み…

八月二十一日。

日付の移りたる頃より、夜歩く。週末なれば随所に酔歩散漫たる人の群あり。スーツを着崩したる中年男性のベンチに寝そべりて高鼾掻きたり。黒衣の媼の大荷物持ちたるが店先灯下に座りて新聞紙を拡げ読みたり。色々なる人これあり。 歩くうち楼村に至りぬ。タ…

八月二十日。

曇。冷やかなる風吹きたり。雨の気配忍び寄らむ。 過去の新聞記事を検索閲覧する方策を探る。区立図書館にて主たる大新聞のデータベースの契約ありて、一般に使用せらるるとの由。 夕方、吉祥寺を漫歩せしに、おにやんまの新規開店したるを見る。久方振りに…

八月十九日。

曇りて尚暑し。 尾崎紅葉『色懺悔』音読す。 夜、動悸遽に爆爆たれば、起居儘ならず臥したり。心身の主導権、余が掌中にあらんずらん。これほど刹那きことは無し。

八月十八日。

早朝より雨。正午前に止む。夕方に至りて晴天澄明なり。 終日書を読む。努めて集中するべく、一時に読む分量を短く定めて、読みては息み、また読みては息む。これを幾度も繰り返しつ。少く躁鬱の気鎮まらん。何を為るにも先ず健康なるべし。斯様な生活に心身…

八月十七日。

曇。蒸し暑く風乏し。手土産なる洋菓子にて朝餉を済す。ウィングフィールドのフロストシリーズを読む。

八月十六日。

晴。蒸し暑きこと今年一番なるべし。換気にと窗啓けば、熱気忽ち侵入し居心地悪しくなりぬ。爽涼なる秋風や恋しき。 夜、人の訪ひ来りて餃子を作る。麦酒を飲みつ二時間ばかりかかりて包みし餃子百個に及びぬ。半量は青唐辛子を入れたるピリ辛餃子にしたり。…

八月十五日。

目覚めても尚醒めず。褥中煩悶したるうちに午を過ぎぬ。何も手につかず、ただ頭痛あるのみ。

八月十四日。

曇りて涼しき日なり。日中なれど冷房の用あらず。然れども湿度高し。 昨週は先ず夜寝ることに努力を傾けたりけり。未だ寝付き悪しかれども、大方改善に向かひたり。

八月十三日。

昨夜なかなか寝つかれず書を読みつ暁に至りぬ。起きて午なり。睡り浅く意識朧々たり。 雨風強し。部屋に籠りて復た書を読む。有明にては夏の祭り開催さるる。余は此度不参加なり。再び帰る日を目して今は時機を待つのみなるべし。 夕方、睡気に耐ふる能はず…

八月十二日。

曇。蒸し風呂に入りたるが如き日なり。颱風の近づきたれば、駐輪せるチャリを薙倒さんばかりに風強し。深更より明日一杯は雨なりといふ。久方振りの颱風コミケならんや。ただ参戦者の平穏無事なる帰還を祈る。 夜、バスに乗りて大泉学園へ至り、東映撮影所の…

八月十一日。

暑く物憂き日なり。種々書きたきことあれど、気力体力なかりせば、後日の課題と為す。 世間にては山の日なりといふ。余には縁なきことなり。過日暑さの柔らぎたれば、何処かの山に登りにしかな。

八月十日。

先週に比して寝られたり。寝付き悪しかれど、暁までには寝入るを得たり。未だ睡眠不十分なれど、少く改善の兆しあり。 快晴なり。ただ見る、空の青々として澄み渡り、一片の雲だになし。今日も炎暑なりて、蝉語喧騒甚し。冷蔵庫中に糧食なければ、主菜なるべ…

八月九日。

昨日の日記に書き散らしたりける苦悶の痕跡を見てゐしに、いと気愧しき思ひを感ず。固より愉しからざる話題なれば、公開文にて書くべき内容にあらじ。己の如何に不憫なるやをひけらかす行為もまた陰謀論に通ずる道にして厳に慎むべきものなり。これ現代にて…

八月八日。

昨夜、わりなき情動の脳中を巡りてなかなか寝つかれず。獅子身中の虫の組織を蝕むに似たり。目覚めて後も却つて疲労を感ず。 余が心身を蝕む虫は、死の恐怖といふ虫なるべし。この虫の余に取り憑きて二十数年ばかり経たり。始め水中にありて、水底の闇より余…

八月七日。

先週、日記を書くこと面倒臭かりければ、明かなる手抜きとなりにけり。続けることこそ肝要なれば、書かずなりぬよりマシなるべし。 閑話休題。 曇りて涼しくも蒸し暑き日なり。これぞ日本の夏なるべき。 正午、佳人の懐風堂に訪ひ来る。惣菜の御裾分けに与る…

八月六日。

曇り。 終日書を読む。食欲なし。何を食ふべきかも心得ず。

八月五日。

曇りて涼しき日なり。心身鬱鬱たり。夢中に彷徨へる如く目醒めざりき。

八月四日。

昨日、深更雷鳴闇を裂きて轟きけり。寝るに寝られず。朝まだき、雨降りぬ。 心身平穏遠くあり。暗中模索、雲を掴むが如し。 夜、高円寺なる大岩亭に飲む。一時、焦慮忘れたり。

八月三日。

二日続けて睡眠を得たりけり。近年稀なる快挙なるべし。 酷暑甚し。焦心苦慮、異郷の陋巷に迷ふに似たり。

八月二日。

昨日疲れに疲れたれば、久振に快眠を得たりき。目覚めて忽ち炎暑激甚たるを感ず。屋内に居るだにかくの如し。一歩外に出れば肌を刺す陽光針に譬ふべし。 終日室内に書を読み過す。危険なるべき猛暑なれば、図書館にも往かず。