懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

十月三十一日。

快晴。長袖に上着を羽織りてなほ涼し。 暫時、素食を旨とし早起きを守りて生活す。来月の掟なるべし。

十月三十日。

久しぶりの遠出の為に、はやく起て出立し、地下鉄東西線直通電車に乗て終点なる東葉勝田台駅に向ふ。 余はかつて多年千葉に住みしことあれど、果して東葉高速線を使ふこと一度もあらざりけり。東葉勝田台といふ駅名は、東西線の終点なれば目にする由多かりし…

十月二十九日。

快晴。真昼の空に雲の一片だにも見えず。 去る二稔ばかり、流行り病の勢ひ猖獗を極めたりけるが、何事にも永続たるはなく、又人も馴れるが世の常なれば、近頃各地にて行事の再開多かるべし。此の週末も異ならず、神田古本まつりの三稔ぶりの開催の由、聞き及…

十月二十八日。

秋晴れの涼やかなる日なり。 水道管の修繕とて近隣なる道の各所に工事あり。避けて通るも又工事に遭ふ。然るに慣れざる道を敢へて曲れば何処とも知れぬ往き止り。自ら迷路を作るに似たり。 久々に自炊をせんとて、大蒜爆盛炒飯を作る。

十月二十七日。

晴。室内にありても吐く息の冷やかなりぬ。なほ暖房は用ひず。 午下、眠気甚しくありて机に伏す。病故の眠気にあらず、只の疲労なるべし。正しく疲労を感ずること久しく忘れたりけり。これも復調の兆候ならん。

十月二十六日。

快晴の小春日和なり。寒暖の差の激しければ、体調後ろ安からず。 図書館に往きて勉強す。古墳時代の日本列島と、同時代の朝鮮半島の、歴史に関する最新の、研究成果を渉猟せり。今週末に歴博の、特別展をば観に往く予定なればなり。 夜、二郎を食ふ。

十月二十五日。

曇りて寒き日なり。はや秋も過ぎたるか。室内温度の二十度を下りたれば頓に寒々しき心地す。 『美少年録』第十九回まで読了す。 ピアノ練習の効果ありて、指の鍵盤に吸い付きたるが如き感覚ぞ生れ出したる。良き兆候なるべし。

十月二十四日。

曇。時折雨の降るめりき。 午より図書館に勉強す。『罪と罰』第六部読了す。 映画を視るに備へて、久しぶりに『ぼくらのよあけ』再読す。余の最も好いたる物語のひとつなれば、幾度目なりとも禁め得ぬ、涙の俄雨降る如し。変化の可能性を秘めたる、小さき人…

十月二十三日。

晴。天凜々として澄み渡り、雲薄く広がりたり。日差し弱く仄かに暖かなり。出たらんに好日これなり。 午後、自転車より石神井公園に往きて読書す。老若男女問はず居りて、遊ぶもあり、散歩すもあり、座りて相譚ふも多かり。日も短くなりたるに、夕七つには肌…

十月二十二日。

秋晴れの冷やかなる日なり。熱き珈琲の美味し。 朝、図書館に勉強す。午より吉祥寺に往きて巡り歩くも買ふべきもの見つからず。さとうのコロッケのみ買ひつ帰る。 夜、ピアノ演奏動画を撮りツイッターに上る。後、天狗湯に湯を使ふ。

十月二十一日。

殆ど睡りを得ずとも、負けじと起て活動す。 小春日和の暖かなる日なり。往来の人々も半袖なるを多く見ゆ。図書館に往きて勉強す。 夜、大蒜拉麺を食ふ。

十月二十日。

終日起得ず臥したりき。

十月十九日。

屋内に居るだに上着を要する気温となりぬ。冬も近かり。 ピアノにて新たなる曲を習得す。『美少年録』第十八回まで読み果てつ。 近頃夜深したりければ、今日は早寝を試みんとす。

十月十八日。

晴れて風寒し。秋の深まりたるを覚ゆ。日暮れて後、細雨降りぬ。 午より図書館に勉強す。平日なるも人多かり。 ピアノ練習を幾世紀すれども、一分たりとも弾ずるを得べからず。思ふに、抑も人の脳は指を動かすに五指の弁別せざらんや。小指を動かさんとして…

十月十七日。

雨降りたるも寒からず。出るに物憂ければ終日家に過す。 夜、ピアノ演奏動画を撮りてツイッターに上る。編集ソフトの用法を勉強する要これあり。

十月十六日。

晴れて暖かく、晩夏の如き涼しき風吹きたり。遅く起きて、ピアノを弾きなどしつ、強ひてもの思ふことなく過す。 夜、人と荻窪に晩餐を倶にす。

十月十五日。

昨夜、深したれば、遅く起きぬ。今日は休みにけり。

十月十四日。

朝より雨、午に至りて止むも、時々降りたる形跡あり。 百均に買ひし護謨草履の、先辺千断れかけたりしが、いよいよ得履けずなりぬ。新しき履物を買はまほしけるが、いかにかせんや。安物ならで、長く履き得る物をこそ買ふべけれ。 夜、秀の湯に湯を使ふ。帰…

十月十三日。

曇りて屢々氷雨降りたり。寒く薄暗き日なり。されど出ると帰るの折には雨に遭はず。雨男なる余にとりて、豈珍しきことならざるや。 近頃病怠りつつあるも、身体の震え頻りなりて、臥したるときも休まらず。又心の慄え平癒に遠かり。纔かなりとも睡眠を日毎続…

十月十二日。

曇。気温廿度前後なるべし。やや寒かるばかりが過すには良し。素より雪国に育ちければ、いつか北方へ移住せまほしくこそ思へ。 日毎の如く、図書館に往来し、楽器の練習す。 『美少年録』を第十七回まで読みつ。就寝前に『侠客伝』を読むが近頃習慣となりた…

十月十一日。

晴れて暖かき日なり。長袖にてはやや汗掻きぬ。 午より図書館に勉強す。『美少年録』第十六回まで読みつ。 緩々と風呂に入りつ作詞に思ひを巡らす。

十月十日。

遽に夜の冷え込み厳しくなりぬ。掛布団に重ねんが為の毛布を出す。さばれなほ冬には遠かり、些と熱すぎる嫌いあり。人の世に生きたる限り、丁度良しなどなかるべし。 日中、楽器の練習に時を費す。 岡田秀文『海妖丸事件』読了す。十角館と偽警部の合わせ技…

十月九日。

午前に起きて緩々と、珈琲を淹れつ欧州の、情勢評価を読みぬ。戦況頻りに変じて、興味尽きず。 日中、散歩などしつ、何もせず時を移す。日暮れて小雨あり。天狗湯に湯を使ふ。

十月八日。

晴れてやや肌寒き日なり。いよいよ上着の准備怠らざるべし。 朝餉に人より贈られし伊勢うどんを食ふ。その柔らかきこと凡そ麺にあらず、汁に浸したる麺麭に似たり。始めての食べ心地にて、珍しきものありやと思ふばかりなり。 午より図書館に勉強す。後、古…

十月七日。

雨、激しく降りたり。今秋始めて長袖を出しつ。 日中、図書館に往きて勉強す。 夕刻、人と会ひて喫茶室に相譚ふ。話敵の微笑みていふやう、子を授かりしと。予てより聞えしことなるも、うち驚きつつ歓びを述べつ。現に尊きことならざるや。

十月六日。

冷雨細細たり。寒さ初冬を思はすばかりなり。 横溝正史『夜の黒豹』読了す。

十月五日。

雨、蕭条として霧の如し。出たらんに上着を要すべき肌寒さなり。余は素より暑がりなれば、なほ半袖なるは変わらず。 気圧の低かる所以にやありけん、神経の調子悪し。終日読書に時を移すも、殆ど解し得ず。

十月四日。

晴れて風強く埃舞ひたり。 近隣なる図書館の臨時休館とて、隣村なるに赴く。 日の暮れなんとする頃、走りて後に洗濯をしつ。夕餉に鶏胸肉の茹でたるを食す。

十月三日。

睡眠の習慣やや定まりて、一週間ばかり過ぎぬ。物事を認識する力の改善の度、信じがたかる程なるべし。況や判断をや。多年、余は生ける屍なりけん。やうやく黄泉返りつ。されどなほリハビリに多かる時をぞ要すべき。 午過ぎ、人と食事を倶にす。後に、今日は…

十月二日。

晴れて温暖なる日なり。半袖にて過したるに、暑からずなほ肌寒からず、稀なる程良き気候なるべし。 午過ぎより図書館に勉強す。『近世説美少年録』第十五回まで読み果てつ。 夜、天狗湯に湯を使はんとて出たるに、西の方をうち見遣れば、半月の赤黒く朧げに…