懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

十月十八日。

晴れて風寒し。秋の深まりたるを覚ゆ。日暮れて後、細雨降りぬ。

午より図書館に勉強す。平日なるも人多かり。

ピアノ練習を幾世紀すれども、一分たりとも弾ずるを得べからず。思ふに、抑も人の脳は指を動かすに五指の弁別せざらんや。小指を動かさんとして無名指が応じ、中指を動かさんとして人差指が応ずる。豈意をして指を動かしめんや。人の限りは越えられじ。一分なりとも弾き得れば良しとすべし。