懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

九月十六日。

独逸のヘヴィメタルバンドなるハロウィンの日本武道館公演を観覧に往く。初めてハロウィンを聴きて其の音楽に魅了されしは余が高校生の頃なりき。とりわけマイケル・キスクの歌声の美しくも力強きに憧憬の念を懐きけり。ハロウィンは其の活動期間四十年に近付きたれば、メンバーの変遷激しく、マイケル・キスクも一度は脱退したりしが、近年再び合流し活動を倶にしたり。最初期に脱退せしギターのカイ・ハンセンも又然り。余が憧れて已まざりける守護神伝時代のハロウィンの戻りたれば、ライブに往かざる理由もなし。

天候は曇なれどなほ暑きこと真夏の如し。直射日光なきことこそ幸いなれ。物販列に二時間ばかり並びてグッズを購ひたるうちに開場時刻も迫りにけり。近くで軽食のみ摂りて疾く会場に入りつ。コロナ禍以後大規模なるライブは初めてなれば其の雰囲気を満喫す。声の限りに打騒ぎ、往年の名曲から新曲まで愉しみたり。かつての若さはあらざれど、今こそベストタイムなれと、歌ふ言葉は彼らの姿そのものなりけり。