暑き日なり。汗の臭いを煩しく思へり。なほ生き往くか或いは生きざるかの岐路に立ちぬべし。ただ観る、余の過去の余の現在に属せざるを。記憶なぞといふものは宛ら前世の出来事の如し。強ひて眠らんとするだに辛し。
晴て暑し。日毎物憂くなりゆくべし。抑も存在することに困難を感ずること余りに多かり。 川端康成『少年』を読む。
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