懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

七月十日。

晴。一週間振りに陽射の炎々たるを感ず。

旧友との集まりとて千葉方面に往く。この集いは一昨年の正月以来なるべし。コロナの猖獗を極めし間は、固より会うこと能はざれば、二年と半年振りと雖も、隔世の感ありき。然れども余を含みたる四人、相も変わらずなりぬれば、十歳前に戻りたる心地す。

午後、懐風堂に帰り来りて、読書しつつ時を過す。ガストン・ルルー『黒衣婦人の香り』を読み始めぬ。余の黄色い部屋を読みしは、かれこれ九年程前なれば、その内容は殆ど覚えたらざるに、黒衣婦人のプロローグに多少の言及ありて、朧気なるも懐愛しく思い出されぬ。

深更、荻窪に飲む。多いに愉しかりき。