懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

七月九日。

眠気去らず。起床する気力持ち得ざれば、褥中に書を読み過す。

綾辻行人『奇面館の殺人』読了す。久方ぶりの館シリーズなり。奇妙なる招待、雪の山荘、首無し死体、人物入れ替わりの可能性、などなどなど。その設定の懐愛しき本格の王道たるや、おもしろきことこの上なし。まさしく初期の館、或いは囁きを想起せしめる快作なり。メタミステリの趣あるもまた味わい深き点なるべし。