懐風堂日誌

同人サークル・少年迷路主宰 五戸燈火の日記

十二月三十一日。

晴れ。

昨日炊きしゲンコツの出汁に葱頭、玉葱、人参、大蒜、豚肩肉を入れて更に煮込む。二時間ばかりで肉を取出し、醤油、味醂、酒、大蒜、韮を煮詰めし汁に漬け込む。麺を茹で、出汁と漬け汁を合はせ、豚と味玉、大蒜と葱の刻みたるを乗せて、年越しそばと為す。味甘くして豚の臭みなし。慎重に取除きしが故に却って油分の足らざりき。

天狗湯に湯を使ふ。大晦日のこととて、常ならぬ人出に混み合へり。老いたるはさらなり若かりも多し。

去る七月に始めし日記も徒然に書き連ねて年暮れぬ。生来の惰弱故に殆ど内容なかりし日も多かり。今後革めたき処なり。来る年も、何卒御贔屓を願ひ奉り候。